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つみぐさ 令和2年9月号

目次

 1.漢字の義23 女偏
 2.暮らしミニ情報 「病の源」ホコリ掃除の技 スクイージーで効率的に
 3.プラットホームの話 その8 ホームでの転落を防ぐために心がけること
 4.健康道場 44 知られざる奥嵐山
 5.私の小さな旅 その12 秋の白山スーパー林道と高山祭
 6. 編集後記

1.漢字の義23 女偏
                     わこさん

1 立に下に女
   読みは、ショウ、めかけ、わらわ、こしもと      
   字源は、古くは女子の罪ある者は、皆召使として使役せり
   意味は、召使の義を示す。転じて主人に仕える女
   熟語は、妾宅(ショウタク)妾をかこいおく家
       妾腹(ショウフク)妾の生みし子
       妾奉公(メカケボウコウ)妾として奉公すること

2 ノ木偏に下に女
   読みは、イ、ゆだぬ、まかす、すえ、つぶさに
   意味は、従順なるもの、他にまかす義とす
   熟語は、委地(イヂ)【点訳者挿入付で(地面の地)】 地におつる 物の衰えること 
       委任(イニン)たのむ、まかす
       委員(イイン)選挙や推薦により選ばれて、特定の審議・調査・処理に当たる人

3 女三つ
   読みは、カン、ケン、かしまし、かたまし、わたくし
   意味は、女のあつまり
   熟語は、姦利(カンリ)ただしからざる利得
       姦曲(カンキョク)よこしま
   
4 女偏に老人の老
   読みは、ウバ、ババ、エビ
   意味は、老女
   熟語は、姥貝(ウバガイ)あかがいの一種。肉は食用に供す
       姥鮫(ウバザメ)ねずみざめ科に属する魚
       姥桜(ウバザクラ)葉が出るよりも先に花の咲く種類のサクラの俗称。
              娘盛りの年頃を過ぎても、なお美しい器量を保っている女

5 女偏に原因の因
   読みは、イン
   本義は、婿の家、婿の家は女の因るべきところなれば、女と合せて其の義を示す
   熟語は、姻弟(インテイ)むこの弟
       姻族(インゾク)婚姻などより生ずる身分上の関係
       姻家(インカ)婚姻によって親戚の関係になった家
       婚姻(コンイン)結婚すること

    これらの漢字は講談社の大辞典より引用しました。
                  

 

2.暮らしミニ情報 
  「病の源」ホコリ掃除の技 スクイージーで効率的に
                     大滝 龍
 

 家の中でいつのまにかたまっているホコリ。ウイルスをはじめ、花粉やダニ、カビがホコリに付着し、体内に入ると体調不良の一因になる。ホコリを効率的に除去する方法を聞いた。

 どれだけ掃除をしてもなくならないホコリ。布団や衣服、紙などから出た繊維のクズのほか、土や砂、毛髪などがまざったものだ。

 家の中に生じた小さなホコリはくしゃみやせきの原因になる。さらに浮遊したり、蓄積したりするうちに「不調を引き起こす可能性のある『病原ホコリ』になる」。 
 病院や介護施設などで環境衛生について指導するプラナ(東京・千代田)社長、松本忠男さんはこう指摘する。

    拡散を防ぐため 換気は掃除後に

 木造で風通しがよかった昔の家に比べ、現代の住宅は高気密で温度や湿度が高い。ホコリに付いたダニやカビが増殖しやすい環境だ。春先は窓を開ければ花粉も入り込む。

 なかでも今はウイルスが気になる人が多いだろう。「ウイルスは感染させる力がある間は粒子の大きいホコリに付き、除去するまで家の中を漂う」(松本さん)。こうした病原ホコリが口や鼻から入ると、体調不良を引き起こすおそれがある。

 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐには、換気が重要とされる。窓を開けて外気を取り入れると、室内に温度差が生じる。温かい空気は上昇し、冷たい空気は下降する。この気流に乗ってホコリは壁の上部につくほか、壁伝いに落ちる。できれば掃除を終えてから換気したい。

「ホコリは気流や湿度、静電気の影響で部屋の一定の場所に集まる」と松本さん。家全体を掃除するのは大変だが、たまりやすい場所を特定し、効率的に掃除することはできる。

 使う道具は、ホコリを吸着しやすい化学繊維のはたきやモップ、使い捨てのドライシートなど。松本さんは窓掃除に使うスクイージーもすすめる。100円ショップなどで買えるものを用意し、「ゴムの部分をハサミで5ミリ間隔に切ると、ホコリが切り込みにつく」という。マイクロファイバーのクロスも効果的だ。

 「ホコリ取りに使う道具」
 化学繊維のはたき
 使い捨てのドライシートやモップ
 マイクロファイバーの乾いたクロス
 スクイージー(ゴムの部分に5ミリメートル間隔で切り込みを入れる)

 ホコリが集まる場所として、室内全般に共通するのが壁の高い位置だ。壁面だけでなく、背の高い本棚や収納のほか、壁掛け時計など凹凸がある場所にもホコリはたまる。手が届く範囲はスクイージーで、届かないところは柄の長いはたきを使い、ホコリを飛ばさないようにそっと取り除く。

 高いところから落ちるホコリは壁際から10〜15センチぐらいまでの床にたまりやすい。吹き出し口の近くに大小の気流が発生するエアコンは、真下の部分にホコリが落ちる。こうした部分はドライシートを取り付けたモップを使うとよい。

 上り下りする階段。狭いため風の速度が上がってホコリが運ばれやすく、風が吹くたびに上へ、下へと舞う。うまく取り除くには、上の段から一段ごとにスクイージーをぴったり当てる。階段の隅から一方向にゆっくり引いてみよう。

   「ホコリのたまりやすい場所」
 @ 壁のたかいところ
   手の届くところはスクイージーで。高いところははたきや使い捨てのモップシートを使う。
 A 寝室
   壁ははたき、床は使い捨てのシートなど。布団はロール状にまくなどそっと扱う。
 B トイレ
   手袋をはめ、壁、床の順にスクイージーを使う。床は奥から手前に向かって一方向に引く。壁沿い、便器沿いは重点的に
 C 壁の下の床
   壁側から10〜15センチメートルぐらいまでの床と部屋の四隅。使い捨てのシートやモップを使う。

 トイレは重要なポイントとなる。狭いうえに衣類を着脱したり、トイレットペーパーの繊維が出たりとホコリがたまりやすい。ホコリがあると大腸菌などの細菌が増えやすいという調査もある。「ビニールの手袋などをして、壁や床のホコリをスクイージーで取り除くとよい」(松本さん)。水がはねると掃除しにくくなるので、便器より先に壁、床の順でしっかりホコリを取り除こう。

 寝室は布団からのホコリがたまりやすい場所だ。壁や床のホコリを取るだけではない。布団はバサッとめくらずロール状に巻くなど、そっと扱ってホコリが出ないように気をつけたい。

  「見直したい掃除習慣」
 @ 「窓を開けてから掃除する」は× 
  → 家中に飛散するので、換気はホコリを取り除いてから
 A 「とりあえず掃除機をかける」は× 
  → 部屋の中心からかける。 
 隅から始めると人の動きで風が起き、ホコリが再び隅へ集まる。
  → カーペットは力を入れてかけない。
    繊維を押しつぶし、奥にたまるホコリがとれないため
 B 「ぬれた雑巾で床を拭く」は×
  → 床はクロスかドライシートで。ぬれた布はホコリを塗り拡げることになる。

 掃除機や水拭き 習慣を見直して

 普段の掃除習慣も見直してみよう。掃除機はカーペットに押しつけると繊維の奥にホコリが入り込む。軽く乗せてゆっくり引いて吸引する。フローリングにはスクイージーやドライシートを使った方がホコリを舞い上げない。雑巾がけも要注意。ぬれた布でホコリがついたところを拭くと、塗り広げることになってしまう。水拭きはホコリを取り除いてからがおすすめだ。

 家の中のホコリは地道に減らさない限り、増え続ける。効率的に取り除き、快適に過ごせるようにしたい。

(畑中麻里)

[NIKKEIプラス1 2020年3月21日付]
                              

3.プラットホームの話 その8 
  ホームでの転落を防ぐために心がけること
                     かず

  皆さんこんにちは。今回はわたしの体験などからホームでの転落を防ぐために心がけた方が良い対策などについて書いてみたいと思う。

   下車後の事故が意外と多い
 ホームからの転落というとまず「乗車するときに気をつけなければならない」と考えている方も多いと思う。しかし、視覚障害者の転落事故は最初に乗車する駅よりも下車した駅(乗り換えを含む)で起きることが多いようである。今回は下車のときの心得や注意事項などについて記したいと思う。
 なお、「下車」とは列車を降りてホーム上を歩いて改札口や乗り換えのためのホームに移動するまでとする。列車から降りる場合は、「降りる」と記す。

   下車時がなぜ危険なのか
 下車の場合、以下のような状況となることが多い。
1. 列車から降りるときは進行方向どちらのドアが開くか確認し、座席などから開くドアまで移動する必要があるとともに、方向転換をしなければならないことが多い。移動距離も必ず一定では無いことが多い。揺れる車内での方向転換と毎回距離が変化する移動は我々にとっては想像以上に大変であり、方向感覚を惑わす原因になってしまう。
2. 車内が混雑しているときは、ドアにたどり着くために神経と労力を使いやっとの思いで降りられたとしても、ホーム上で今いる位置を正しく認識できなかったり、方向感覚がずれてしまうことがある。
3. 降りる場合は乗車のときよりも短い時間で行わなければならないため、どうしてもあせってしまい、ホームに降りる際の方向の確認ができないことがある。
4. 降りてから改札口等に向かう場合必ず方向転換が必要である。
5. 乗車の時よりもホーム上を歩く距離が長くなることが多い。
6. 疲れていたり、酔っていて判断力や方向感覚が普段より衰えていることもある。
 以上のことからも、乗車に比べて、下車のほうがさらに危険性が高いということが言えそうである。では下車での対策を考えてみよう。

   乗車前・乗車中から下車のことを意識しよう
 下車での危険を少しでも少なくするには、なんと言っても早めに準備をすることである。そのためには、乗車中や場合によっては乗車前からいろいろ確認したり、行動を起こしておく必要がある。

1 乗車前から下車するホームの状況を思い浮かべておこう
 今まで利用した駅に下車する場合、乗車前や車内で駅のホームの状況を思い出しておくことが必要である。内容としては
@ 相対式か島式か。幅はどれくらいか。特に相対式か島式かについては、この状況を理解しておくことにより、歩行の方法や安全性が大きく変わってくる。島式の場合は非常に慎重な歩行が必要となる。
A 今乗車した位置であれば、改札口や階段までどれくらいの距離を移動しなければならないか。降りた場所は極端に狭いなど危険な場所かどうか。
B 障害物が多いか少ないか。移動する際に極端に狭い場所などの危険な箇所がどれくらいあるか。
 初めて下車する駅では、ホームの状況が解らないことが多いため、可能な限り駅員のサポートを利用したほうが良いだろう。駅員のサポートが受けられない、または受けなくても大丈夫と思った場合でも、少しでも危険を感じたら周囲の人にサポートを依頼するのが良いだろう。事前に鉄道会社の電話サポートセンターなどに下車するホームの状況を問い合わせることや、パソコンなどで状況を調べることも有効な手段である。相対式か島式か。改札口や階段がホームのどの位置にあるのかを事前に知っておくだけでもずいぶん助けになる。

2 下車駅のホームを移動する距離を短くする
 ホームを移動する距離が長ければ転落する危険も大きくなる。特に島式は正直言って歩きたくない。ホームを歩く距離を可能な限り短くしたいものであるが、この対策については難しいことが多いが、もし可能であれば次のことを試みても良いかもしれない。
@ 改札口を変更する。
西改札と東改札など、改札口が複数ある駅の場合、下車駅でのホームを移動する距離が短くなるよう改札口を変更して利用することも意外と有効である。
A 改札内の階段を変更する。 
改札口が1カ所であっても、ホームの東側と西側などにアクセスできるよう、階段やエスカレーターが複数ある駅も多い。「1.」と同様下車駅でのホームの移動が短くなるよう、階段などを変更するのも良いだろう。
B 車内を移動する。
この方法はある程度危険を伴うことがあるとともに、混雑しているときなど必ず行えるとは限らないが、乗車駅・下車駅ともにどうしてもホームを歩きたくないときには一つの手段ではある。最近車内のドアには「何両目の何番のドア」という点字や大きな活字の案内が設置されていることも多いので、車内で今いる位置を知ることも容易になっている。私もこの車内異動を時々使う。
C 乗車駅・下車駅どちらのホームを移動する方が、危険が少ないかを判断する。
乗車駅・下車駅どちらがまだ危険が少ないかを判断し、乗車駅で先にホームを移動しておいたほうが良いこともある。

3 車内であわてず確実に降りられるよう乗車後から準備する
 安全確実に降りるにはとにかくドアまでの移動距離を短くすることと、早めに降りるための行動を起こすことである。
具体的には、
@ 乗車時間が短いときには、可能な限り開くドアに近い座席に座るようにする。または、座席に座らずに開くドア位置まで先に移動しておく。
A 乗車時間がある程度長い場合でも混雑しているときは座らずに、可能な限りドア位置まで近づけるようにしておく。
B 着席している場合は、常に今の位置から開くドアまでの距離、混雑状況、今どのあたりを走っているかなどの状況を確認しておく。
C 着席している場合は、かなり早めに下車のため開くドア位置まで移動するように心がける。晴眼者の多くは、列車がホームに入ってから席を立ち、移動することが多いが、我々の場合は、このタイミングではかなりあせってしまい次のホーム移動に十分備えられない可能性が高いので、各駅停車や地下鉄などでは、下車する駅の一つ前の駅くらいから行動したほうが良いだろう。混雑状況によってはさらに早めに行動することをおすすめする。
D どちらのドアが開くのか事前にわからないときは、座席に座らずドア位置で立っておいたほうが良いだろう。

4 ホーム移動を行うことを考え、安全にホームに降りて移動の準備をする
 列車から降りれば、非常に危険なホームを100m以上歩かなければならない可能性がある。安全確認と方向感覚を損なわず慎重に行動する必要がある。
@ ドアが自分の正面に来ていること、列車の進行方向と進む位置が直角になっていることを可能な限り確かめまっすぐ前方向に降りられる準備をしておく。
A 降りるときは白杖で列車の床とホームとの段差や隙間を確認してまっすぐ前に降りるようにする。まっすぐ前に進まないと、内方線ブロックにたどり着くまで長い距離を進まなければならない他、方向感覚がずれてしまっているためこのままホームを歩き始めると非常に危険である。
B 降りた後は白杖をすらせながら小股で内方線ブロックの内側の安全な場所まで速やかに移動する。
C 列車が出発して周囲が静かになってから人の流れや周囲の音などを聞いて、今いる位置と階段など向かう場所の経路を確認する。
D 向かうべき方向が確認でき、安全を確かめた後、必要な向きに方向転換して移動を始める。
 とにかく列車を降りてから少々時間がかかっても慎重に方向の確認や修正を行わなければならない。
もし車内が混雑しているなどで、ドア位置や降りる方向を十分確認できずとりあえずなんとか降りることができたという場合には、あわてずに小股で2歩くらい進み、列車が出発するまでその場を動かないことである。正しい方向感覚を認識できていないとともに、方向感覚がずれてしまっている可能性が高いからである。このようなときは、自分で動くのでなく、腕や白杖を使って柱やベンチ、点字ブロックなどを確認することができれば、それらを手がかりに方向を確かめて修正する必要がある。一度それを試みても方向感覚に不安が残るときや手がかりが見つけられなかったときは、ためらわずに周囲の人にサポートを依頼するのが賢明である。とにかく方向感覚が不十分なときのホーム移動はきわめて危険である。

 以上下車について記してみた。車内でも目的地に到着してもホームから離れるまで本当に気が抜けないのである。
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4.健康道場 44 知られざる奥嵐山
                   わこさん

   京都通が教える風光明媚
 京都旅の定番・嵐山と言えば渡月橋、竹林の小径、数々の寺社だけと思ってはいませんか。
 「奥嵐山」観光地の喧噪から離れ、嵐山を流れる大堰川を少し遡った先に広がる、驚くほどすてきな世界京都通と一緒に知られざる嵐山の真の魅力を再発見します。

   紅葉の穴場の名刹
 大悲閣千光寺も角倉了以(スミノクラリョウイ)が大堰川の開削工事で亡くなった人々を弔うために建立、「星のや京都」の脇をはずれた山道を少し登れば、住職が温かく迎えてくれる。ここからの渓谷の眺めも絶景。 
 開門時間 10:00〜16:00
 入山料   400円

   亀山公園から見る嵐峡
 嵐峡とも称される美しい谷と清流北岸にそびえる小倉山にある亀山公園には展望台があり、眼下に眺めるこの雄大な絶景は京都人でも知る者は多くありません。混雑する紅葉期におすすめです。
 「渡月橋周辺は、四季を問わずとても混雑しています。ですが、奥嵐山と私たちが呼ぶ渓谷エリアは、渡月橋から川沿いに歩いて15分足らずの近さにあって、非日常を味わえる秘境です」奥嵐山に開場して迎える高級旅館「星のや京都」に、開業当初から、携わる松本さん。日夜この地で過ごすからこそ発見できる魅力は、「圧倒的な自然美」だといいます。
 「秋は紅葉、冬は雪景色、春は桜、夏は青紅葉と、四季折々で彩られる渓谷。大堰川や沢の音だけが聞こえる静寂。一斉に虫が鳴き出す夕方を過ぎると、星空が見える澄んだ夜空の下、遠く鹿の声が響くことも。日の出とともに、朝もやが漂う光景も最高なんです」
 奥嵐山は、平安時代から天皇や貴族に愛され、江戸時代には豪商・角倉了以が別邸を構えた地。昔から変わらない美観を今に残す、まさに知る人ぞ知る、穴場のエリアなのです。

  さまざまな表情を見せる紅葉美
 山の斜面が急で、紅葉樹の一本一本が重ならずによく見えるのが魅力。中には、赤く燃えるように色ずく樹齢400年にもなる紅葉の大樹も晩秋にはあたりに散り、敷き紅葉も又別格の美しさがあります。

   波一つない静けさに浸る早朝のおおいがわ(大堰川)
 日中は保津川下り船の往来があり、平穏は朝まだきのひとときだけ、ピンと張り詰めた水面はまるで、鏡のように紅葉を写し取ります。澄んだ翡翠色の水流に一隻の舟を浮かべれば平安貴族の気分に。

  古くから愛されてきた夜月
 平安貴族たちが船の上で月見をし、鎌倉時代には亀山上皇が「くまなき月の渡るに似る」、曇りない夜空に満月が橋を渡るようと称えたというほどの月の名所山影に浮き立つ月光は格別です。

  極上の自然美に出合うために奥嵐山に泊まるという選択
 日帰りだと朝や晩の奥嵐山まで堪能するのは難しいもの。たまの贅沢もかねて、宿泊も検討して見ては如何でしょうか。実は案内人・松本さんは京都出身ですが、奥嵐山の魅力は、「星のや京都」につとめるまで、知らなかったといいます。
 「休日もここに友人を案内するほど、この自然美が誇りです。奥嵐山を存分に楽しめる当館へ、ぜひお越しください」 四季の風情が楽しめるリバービューの客室。自然の中で過ごす「空中茶室」や庭園。野外ストレッチ、朝の紅葉狩り舟、月見舟などの充実のアクティビティ。正に奥嵐山の、借景美が詰まった、京都唯一の体験になることでしょう。実際に訪れて初めてわかる、近い水面や清らかな光、澄んだ夜空、清々しい朝焼け。一夜を過ごす選択肢もまた、魅力的です。

「星のや京都」 
住所 京都市西京区奥嵐山元録山町12−2
電話 0570−073−066

  心洗い流してくれる渡月橋の朝日
 早朝、渡月橋周辺も人影はまばら。
 静かに、目に染みるような朝日が川面に黄金色に輝かせつつ、橋のシルエットの向こう側から、ゆっくり、昇りゆく光景に心が洗われていくのを感じます。

 月刊「茶の間」より引用しました。

5.私の小さな旅 その12
   秋の白山スーパー林道と高山祭
                   今茨木童子

 ツアーバス 一泊二日の旅の話。
 秋といっても紅葉にはまだ少し早く緑の多い北陸路から、白山スーパー林道に入りました。道は狭く大型バスは行き違いに苦労する場所もありました。林道の最高点からは右に白山(標高2700m)がそびえています。バスの窓ガラスには色が入っていて、見える山の木々の本当の色はわからないのである。が、紅葉はところどころといった具合でした。
 下りに入ったバスから深い谷底に「合掌村」で知られる白川郷が見える。村について、日本はおろか世界に一軒しかない合掌造りのお寺を見学して、自由散策。庄川の澄み切った流れの傍に集落は建ち、橋を渡った所には大きな駐車場があり深い谷底を流れる清流を見ながら渡り、川を挟んで合唱作りの家や普通の建物が混在するのを見たりのんびり散策しました。バスは鷲ヶ岳のリゾートホテルに向かうのであるが、途中にあるロックフィル式の御母衣(みぼろ)ダムの横を通った。満々と湛えられた青く澄み切ったダム湖はとてもきれいだった。のはいいのだが、途中で日が暮れて、道がわからなくなったのであった。今ではGPSがあるためこんなことはないのだが、当時はプロの運転手でもこんなことはよくあった。ホテルに電話して迎えに来てもらって、無事到着。
 ホテルは上品なホテルで、夕食はフランス料理。懐石料理のように一品ずつ。次の料理が出てくるのに時間がかかり、アルコールが飲めない私たちには何ともこの間合いがまどろっこしくて困った。何を食べ、美味しかったという印象がない。せっかくの高原リゾートなのに日が暮れて到着して、翌朝は朝食が終わると早々の出発にリゾート気分など言っている場合ではなかった。
 二日目、ホテルを出発して、もう一つの見どころの「秋の高山祭」に向かう。
 高山市に到着しても市内にバスは入れない。観光に来たバスやマイカーは郊外にある宗教団体の大きな駐車場に止めて、シャトルバスに乗り換える。小学校のグラウンドに臨時に設置された乗降場まで行き、ここから徒歩で見学に出発するのである。まずは川沿いの朝市の通りがあるので、そこを通り、祭りのために引き出された京都の祇園祭のように並んだ山車を眺めながら、神社につくが、境内は人だかりである。高山祭のメインイベントである山車のひな壇でお披露目される「からくり人形」の演技を見る人達です。とても境内に入ることはできない。たとえ入れても遠くてとても見えないのであきらめて引き返しました。その分ゆっくりお祭り気分に浮かれる「小京都」高山市の散策ができました。
 書き忘れていましたが、臨時のバス乗降所から道路に出ると、車両の通行止めのために、1m間隔ぐらいで鉢植えのリンゴの木が点々と並べてありました。 高さ2mぐらいに育った木には赤いリンゴがちゃんと実をつけてぶら下がっていました。果物の豊富な所だと改めて感心しました。
                         

6.編集後記
                    上田 一裕

 大滝龍さんの「暮らしミニ情報」は、「病の源 ホコリ掃除の技 スクイージーで効果的に」、今茨木童子さんの「私の小さな旅 その12」は、秋の白山スーパー林道と高山祭です。どうぞご期待ください。
 9月は晩夏から初秋にかけての季節の変わり目です。この月は何と言ってもサンマの水揚げが気になるところです。また、戻りガツオも、たっぷりと脂をのせて帰ってきます。イカも新イカや小ヤリイカなどが獲れる時期です。イワシも美味しいですね。
 関西では「目に青葉、山ホトトギス 初ガツオ」といわれるように春のカツオは珍重されますが、一方戻りガツオの評価は低くみられているように思われます。しかし、9月頃から南下し始めるものは「戻りガツオ」と呼ばれて、このころに獲れるカツオは、脂がたっぷりとのっているため「脂カツオ」「トロカツオ」とも呼ばれます。「初ガツオ」に比べて、もっちりとした食感が特徴の「戻りガツオ」は、秋の味として広く親しまれています。つまりカツオの旬は、4〜5月にはじめのピークを迎える「初ガツオ」のシーズンと、「戻りガツオ」の8月中旬から9月下旬あたりと言えます。
 EPA、タウリンが体に良いとの評価は広く世間に浸透していますね。美味しいだけではなく身体にもおいしい戻りガツオ、今晩の献立にいかがでしょうか。
 読者の皆様にはご自愛ください。
                          


大阪府視覚障害者福祉協会

〒537-0025
大阪市東成区中道1丁目3-59
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